よく噛むダイエットの効果はある?やり方やメリットを紹介

よく噛むことのメリットは?

よく噛むことには様々なメリットがあります。具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、よく噛むことで期待できる7つの効果をご紹介します。

ダイエット効果

食事の際に意識してよく噛んで食べることは、私たちの体に多くの良い効果をもたらします。まず、ダイエット効果が期待できます。噛む回数を増やすことで満腹中枢が刺激されやすくなり、必要以上の量を食べずに満足感を得やすくなります。特に早食いの傾向がある方は、満腹を感じる前に食べ過ぎてしまうことがあるため、意識的に噛む回数を増やすことがおすすめです。

小顔効果

次に、小顔効果も挙げられます。よく噛む動作によって、口周りの筋肉、特に咬筋や口輪筋、表情筋といった複数の筋肉が鍛えられ引き締まるため、顔の輪郭がすっきりとして見える効果が期待できます。実際、加齢などで噛む力が弱くなると、顔の筋肉が衰えてたるみが生じ、老けた印象になることもあります。

脳の活性化

さらに、脳の活性化にもつながります。咀嚼することで脳神経が刺激され、脳への血流が増加します。これにより、記憶力の向上や認知症予防といった効果が期待できると言われています。健康な歯を維持し、しっかりと噛める状態であることは、脳の健康にも影響を与える重要な要素です。

虫歯予防


また、虫歯予防にも効果的です。よく噛むことで唾液の分泌量が増えます。唾液には歯の再石灰化を助ける働きがあるため、唾液が多く分泌されることは虫歯になりにくい口内環境を保つことにつながります。

味覚が冴える


加えて、味覚や触覚といった口の器官の発達にも寄与します。しっかり噛むことで、食べ物の持つ本来の味や食感をより繊細に感じ取れるようになり、食事をより一層楽しむことができるようになります。

胃腸の働きをサポートする


最後に、胃腸の働きを助ける効果もあります。唾液に含まれるアミラーゼという酵素は、ご飯などに含まれるでんぷんを糖に分解する働きがあります。これにより、胃での消化の負担を軽減し、胃腸の働きをサポートします。胃腸が弱いと感じている方は、特に意識してよく噛むことを心がけてみてください。

毎日の食事で食べ物をしっかり噛むことは、想像以上に多くの良い効果を体に与えてくれます。特に、ダイエットに関心がある方にとって、噛む回数を意識することは手軽に始められる方法です。よく噛むことは、美容だけでなく、健康維持や虫歯予防にも繋がります。意識するだけで誰でも簡単に実践できるため、ぜひ参考にしてみてください。

よく噛むダイエットの方法・ポイント

「よく噛むダイエット」とはその名の通り「食事の際に、一口30回を目安によく噛む」というダイエット方法です。

とはいえ、「本当によく噛むだけでいいの?」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

理想とされる噛む回数は一口につき30回ですが、普段あまり意識していないと難しく感じるかもしれません。しかし、いくつかの工夫を取り入れることで、この習慣を身につけることができます。

食材は大きめに切る・硬めにゆでる

よく噛む習慣を身につけるには、調理方法を工夫することも大切です。例えば、食材を大きめに切ることで、自然と噛む回数を増やすことができます。きゅうりやにんじんなどを乱切りにするのも効果的です。また、野菜などを加熱する際に、少し硬めにゆでることで、噛みごたえがアップし、より意識して噛むようになります。肉類の場合、薄切り肉やひき肉よりも、かたまり肉の方が噛む回数が多くなる傾向があります。柔らかいコロッケにきのこを混ぜるなど、いつもの料理に硬めの食材を少し加えるのも良い方法です。これらの工夫を取り入れることで、無理なく噛む回数を増やし、よく噛むことのメリットである「ダイエット効果」を実感できると考えられます。ただし、顎などに痛みがある場合は無理のない範囲で行ってください。

一口ごとに箸を置く

食事の際に一口食べ物を口に運んだら、一度お箸を置くように意識してみましょう。このシンプルな動作が、早食いを防ぐために非常に有効です。お箸を置くことで、自然と次の食事を口に運ぶまでの間隔が生まれます。この間に、今口の中にある食べ物をよく噛むことに集中できます。

テレビやスマートフォンを見ながらの「ながら食べ」をしていると、無意識のうちに食べるスピードが速くなりがちです。一口ごとにお箸を置く習慣をつけることで、目の前の食事に集中することができます。これにより、食べ物の味や食感をより深く味わうことにもつながります。

また、一口ごとに箸を置くことは、脳が満腹感を感じるまでの時間を確保するのにも役立ちます。脳が満腹のサインを出すまでには食事が始まってからおよそ20分かかると言われています。早食いをしてしまうと、この満腹信号を受け取る前に多くの量を食べてしまいがちです。箸を置くことで食べるペースがゆっくりになり、満腹中枢が刺激されやすくなるため、必要以上に食べ過ぎることを防ぐ効果が期待できます。

最初は意識しないと難しいかもしれませんが、少しずつこの習慣を取り入れることで、自然と食事のペースがゆっくりになり、よく噛むことにつながります。よく噛むことによるメリットである、ダイエット効果や消化を助けるといったイメージを持ちながらクセづけていきましょう。

一口あたり30回噛む

一口あたり30回以上噛むことを目標とした取り組みとして、厚生労働省は「噛ミング30」を提唱しています。これは、食育の推進や高齢者の誤嚥・窒息防止に重点を置いたもので、健康寿命を延ばすことを目的としています。現代の食事は柔らかいものが増え、弥生時代の食事と比較すると、一口あたりの噛む回数が大幅に減少していると言われています。

食事の際に意識して噛む回数を増やすことは、消化を助け、満腹感を得やすくするだけでなく、脳の活性化や虫歯予防にもつながります。一口で30回噛むことは難しく感じるかもしれませんが、例えば一口量を減らしたり、一口ごとに箸を置いたり、噛みごたえのある食材を選んだりすることで、自然と食事中の噛む回数を増やすことができます。ゆっくりと食事の時間を確保し、意識的に多くの回数噛むことを習慣にしてみましょう。

参考・引用:厚生労働省 歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書(概要)

歯ごたえのある食材を選ぶ

毎日の食事で噛む回数を増やすためには、食材選びが重要です。特に、硬さ、繊維質、弾力性のある食材を取り入れると、自然と噛む回数が増えます。例えば、ごぼうやレンコンのような根菜類は食物繊維が豊富で噛みごたえがありますね。 また、きのこ類やこんにゃく、海藻なども弾力があり、よく噛まなければならない食べ物です。

これらの食材を毎日の献立に意識的に加えることで、自然と咀嚼回数を増やせるでしょう。例えば、きんぴらごぼうや筑前煮、ひじきの煮物などは、これらの食材を美味しく取り入れられる料理です。ナッツ類やするめも、「噛む回数を増やす」おやつや間食として活用できます。

ただし、これらの食材ばかりに偏るのではなく、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。また、調理法を工夫することで、同じ食材でも噛みごたえを調整できます。例えば、野菜を大きめに切ったり、茹で時間を短くしたりすることで、適度な硬さを保つことができます。

飲み物で食べ物を流し込まない

食事中に食べ物を十分に噛まずに、飲み物で流し込む習慣がある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この行為は早食いにつながりやすく、様々なデメリットを引き起こす可能性がありますのでやめましょう。よく噛まずに食べ物が胃に運ばれると、胃腸に負担がかかり、消化不良の原因となることがあります。また、食べ物を飲み物で流し込んでしまうと、本来であれば咀嚼によって得られるはずの満腹感が得られにくくなります。これは、脳が満腹だと認識するまでに時間がかかるため、早食いによって必要以上に多くの量を食べてしまい、肥満につながる可能性があるためです。

さらに、十分に噛まないことで唾液の分泌量も減ってしまいます。唾液には食べかすを洗い流したり、歯の再石灰化を促したりする働きがあるため、唾液の減少は虫歯や歯周病のリスクを高めることにもつながりかねません。食事の際には、飲み物で食べ物を流し込むのではなく、一口ごとにしっかりと噛んでから飲み込むことを意識してみましょう。飲み物を飲むのは、あくまで食べ物を飲み込んだ後、口の中をリセットする程度に留めるのが理想的です。

味付けは薄味を心がける

味付けを薄くすることは、よく噛むことにつながる効果的な方法の一つです。味が濃い料理は、味をすぐに感じられるため、あまり噛まずに飲み込んでしまいがちになります。一方で、薄味にすることで、食材そのものが持つ本来の味や風味を感じようと意識が働き、自然と噛む回数が増えます。例えば、野菜の甘みやうま味、だしの風味などをより繊細に感じ取れるようになり、それが咀嚼を促します。

また、薄味は塩分や糖分の過剰摂取を防ぐことにもつながり、健康面でもメリットがあります。 最初は物足りなく感じるかもしれませんが、徐々に慣れてくると、食材本来の美味しさが分かるようになり、味覚が研ぎ澄まされる効果も期待できます。

さらに、よく噛んで唾液がたくさん分泌されることで、食べ物の味が唾液に溶け込み、舌にある味蕾というセンサーに運ばれやすくなるため、味をより感じやすくなります。 このように、薄味はよく噛むことと相互に関係しており、両方の習慣を取り入れることで、より健康的な食生活を送ることができます。

スプーンは小さめのものを使う

カレーやリゾットなど、つい大きなスプーンを使ってかきこむように食べてしまうことはありませんか? 意識して小さめのスプーンを使ってみましょう。一口の量を減らすことで、自然とよく噛んでから飲み込むようになります。 これにより、満腹中枢が刺激されやすくなり、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。 また、ゆっくり食べることで消化を助け、胃腸への負担を軽減するメリットもあります。

小さめのスプーンを使うことは、特に早食いの癖がある方におすすめの方法です。一口の量を調整し、丁寧に噛むことで、食事の時間を意識的に長くすることができます。 食べ物を味わうことにもつながり、食事の満足度向上にも役立ちます。 無理なく噛む回数を増やすための手軽な工夫として、ぜひ試してみてください。

食事では積極的に箸を使う

よく噛む習慣を身につけるために、食事の際にスプーンやフォークの使用を減らし、箸を積極的に使うように意識してみましょう。スプーンやフォークは一度に多くの量を口に運びやすいため、無意識のうちに早食いになってしまうことがあります。一方で箸は、少量ずつつまんで口に運ぶため、自然と一口の量が減り、噛む回数を増やしやすい傾向があります。

箸を使うことで、食べ物を口に入れるまでの動作に時間がかかるため、ゆっくりと食事を進めることができます。これにより、満腹中枢が刺激されるまでの時間を確保しやすくなり、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。また、一口の量が減ることで、それぞれの食べ物の味や食感をより意識しやすくなり、食事をじっくりと味わうことにもつながります。

和食だけでなく、パスタやカレーなどを食べる際にも、可能な範囲で箸を使ってみるのも良いでしょう。ペンネのようなショートパスタは箸でつまみやすく、噛む回数を増やすのに適しています。 外食時でも、メニューによっては箸を選ぶことで、自然と噛む回数を増やす工夫ができます。 このように、使用するカトラリーを意識するだけでも、よく噛む習慣をサポートすることができます。

ガムを噛む

普段の食事でよく噛むことを意識するのが難しい場合や、食事の時間が限られている場合には、ガムを活用するのも一つの方法です。ガムを噛むことでも、いくつかの効果が期待できます。例えば、食後にガムを噛むことで唾液の分泌が促進され、お口の中の食べかすを洗い流しやすくなるため、虫歯予防につながります。また、ガムを噛むというリズム運動は脳に適度な刺激を与え、脳の活性化が期待できると言われています。さらに、ガムを噛むことで顔周りの筋肉が使われるため、美容効果の一つとしてフェイスラインの引き締めにも良い影響があると考えられています。ただし、すべての「よく噛むことによる効果」をガムだけで完全に得られるわけではありません。可能であれば、食事の際にしっかり噛むことを心がけることが最も効果的です。しかし、手軽にできる方法として、ガムを日々の生活に取り入れてみる価値はあります。噛む習慣がない方や早食いになりがちな方は、特に食後にシュガーレスガムを噛むことから始めてみるのも良いでしょう。

よく噛むダイエットについてのよくある質問

噛まずに飲みこむのは良くない?

「カレーやプリンは飲み物」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。これは、あまり噛まずに飲み込むように食事をする様子を表していますが、実は太る原因にもなり得る食事方法です。食事を始めてから満腹中枢が刺激されるまでに約15分から20分かかると言われており、早食いでは満腹を感じる前に多くの量を食べてしまいがちです。

さらに、よく噛んで食べることで食後のエネルギー消費が増えるという研究結果もあります。 ゆっくりよく噛んで食べることは、食べ過ぎを防ぎ、エネルギーを効率よく消費することにつながります。

なぜよく噛むと痩せやすくなる?

なぜ、よく噛むことが痩せることにつながるのでしょうか。その理由はいくつかあります。まず、よく噛むことで満腹中枢が刺激されやすくなる点が挙げられます。食事を始めてから満腹感を感じるまでには、ある程度の時間がかかります。しっかり噛まずに早食いをしてしまうと、満腹だと脳が感じる前にたくさんの量を食べてしまいがちです。一口あたりの噛む回数を増やすことで、自然と食事の時間が長くなり、少量でも満足感を得やすくなるため、結果的に食事全体の量を抑えることにつながります。

次に、噛む回数が増えることで食後に消費されるエネルギーが増えることも分かっています。これは「食事誘発性体熱産生(DIT)」と呼ばれています。

食事誘発性体熱産生(DIT)の特徴

摂取した栄養素を消化・吸収・分解する過程で発生するエネルギー消費のこと
何もせず安静にしている時でも代謝量が増加する
食事をすることによって体が温かくなったり汗をかいたりする現象

1日に消費される総エネルギーのうち、この食事誘発性熱産生は約10%を占めると言われています。 残りの約60%は生命維持に必要な基礎代謝、約30%は運動や日常生活による身体活動で消費されます。

東京工業大学の研究では、同じカロリーの食事でも、ゆっくりよく噛んで食べた方が、早く食べた場合に比べて食後のエネルギー消費量が増加することが示されています。

具体的には、成人を対象とした実験で、パスタ、ヨーグルト、オレンジジュースの組み合わせ(合計621kcal)をゆっくりよく噛んで食べた場合、食後3時間のエネルギー消費量が早く食べた場合の約2倍になったという結果が出ています。 これは、よく噛むことによって胃や小腸への血流量が増加し、消化吸収が活発になるためと考えられています。

1回の食事で消費されるエネルギーの差はわずかかもしれませんが、毎回の食事で意識して噛む回数を増やすことで、年間を通して見ると体脂肪に換算して約1.5kg分ものエネルギー消費の差が生まれるという試算もあります。 このように、食事の際の噛む回数を意識することは、直接的にカロリーを消費するだけでなく、食べ過ぎを防ぎ、痩せやすい体質づくりにつながる重要なポイントなのです。

食事誘発性熱産生を高めるためには、よく噛むことが重要です。噛むことで交感神経が刺激され、代謝活動が活発になります。 また、摂取する栄養素の種類によっても食事誘発性熱産生の量は異なり、特にたんぱく質は糖質や脂質に比べて消費エネルギーが大きいとされています。 バランスの取れた食事や温かい食べ物を摂ることも、食事誘発性熱産生を高めるのに役立つと言われています。

よく噛むにはお口のケアも大切

よく噛んで食べるためには、健康なお口の状態を保つことが不可欠です。毎日の丁寧な歯磨きはもちろんですが、歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間には食べかすやプラークが残りやすく、これが虫歯や歯周病の原因となります。

そこで、デンタルフロスや歯間ブラシを日々のケアに取り入れることが重要です。これらの補助清掃具を使うことで、歯ブラシだけでは落としきれない汚れを除去し、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。毎日すべての歯間をケアするのが難しければ、まずは2日に1回からでも始めてみるのがおすすめです。

歯周病は口腔内の健康だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことが知られており、特に血糖値との関連が指摘されています。歯周病があると血糖コントロールが悪化しやすく、逆に糖尿病があると歯周病になりやすいという相互関係があるため、お口のケアは全身の健康維持のためにも大切です。日頃忙しくて食事に時間をかけられないという方も、週末など時間のある時にはゆっくりと食事を楽しみ、よく噛んで食べることを意識してみてはいかがでしょうか。

まとめ

よく噛んで食べることは、私たちの健康と美容にとって非常に多くのメリットをもたらします。この記事では、具体的な7つの効果を詳しくご紹介しました。例えば、ダイエット効果や小顔効果、さらには脳の活性化や虫歯予防にまで繋がります。これらのメリットを最大限に引き出すためには、一口30回を目標に意識して食事をすることが推奨されます。最初は難しく感じるかもしれませんが、一口の量を減らしたり、食事に集中したり、噛みごたえのある食材を取り入れたりすることで、徐々に習慣化していくことができます。また、食事以外ではガムを噛むことも、手軽にできる方法として唾液の分泌を促し、虫歯予防や脳の活性化に一定の効果が期待できます。日々の食事から「よく噛む」ことを意識し、健康で充実した生活を送りましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です